第二章

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「おら、信二行くぞ。これ以上こいつと関わるな。縁、切っちまえ」 「先輩…それは……」  哲郎は信二の夕羅に対する気持ちに気付いていた。だからこそ、目を覚まさせてやらなければならない。  信二の真っ直ぐで優しい所を歪めさせないためにも。 「それはありがたいね。何かとトラブルを持ち込んできて迷惑してたから。せいせいする」  満面の笑みを浮かべる夕羅に、信二の心が締め付けられる。  力が抜けて、引きずられるように部屋を出た。  こんなつもりじゃなかった。今までのように協力して、一緒に解決に取り組もうと思っていたのに。  やっぱりみんなを連れて来るべきじゃなかったのか。  それとも避けられない衝突だったのか。  全員が出て行ったあと、夕羅は一人残される。 「……心…………それでも人間か…ね……」  ポツリと漏らした独り言を聞いた者は誰もいなかった。
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