第1章

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私がこの部署に所属して2年目の春、29歳という若さで課長職を任された渡部課長は異例なようで、移動してくると聞いた時は周りが騒いでいたのを覚えている。 移動してきて仕事ぶりを見たら一目瞭然だった。 前部署でも活躍して噂はたまに聞いていたが、新部署に配属され1ヶ月で彼の周りの空気の流れが彼色に変わるのが分かった。 私はその時思った ――…あぁ エリートはこういう人を言うんだろうな 「あっ・・千鶴!」 回想に浸っていると、キョロキョロと私を探す千鶴の姿が目に入り、小さく手を振ってここだとアピールする。
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