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警察署は家から車で約20分くらいの所にある。
車の中は、薄気味悪い沈黙が続いていた。
おれは外の景色を見るでもなく、足元に目をやり、ぼんやりとしていた。
警察署についてからはどこをどう通ったのかのかよくわらからないが、二階の取調室に入れられ、そこで刑事に逮捕とつげられた。
「5時52分、平木 希殺害の疑いで逮捕ね」
「………。」
おれは言葉を失った。
手錠をかけられその手錠についているロープを椅子につなぐと、刑事は鍵を閉めてその部屋から出ていく。
おれは一人になった。
(希…)
「気をつけてねf(^^;
あんまり、飲み過ぎないよーに♪」
「勇~☆何してるの??」
「アタシも勇のこと大好きだよ❤」
ふと希とのメールのやり取りを思い出す。
(昨日だぞ!昨日までは普通にメールしてたじゃないかっ)
(何かの間違いだっ)
すぐにでも希に電話したかったが、携帯電話などは警察に押収されて、手元には何も残ってなかった。
何分くらいたったろうか?刑事が戻ってきた。
刑事はおれと向き合って座り、持ってきたパソコンを机の上に置いた。
同時に口を開いた。
「しかしまぁ、よくも自分の彼女にこんなむごいことが出来るもんだ」
パソコンの画面を見ながら刑事は言った。
「だから何度も言わせんなよっ希に会わせてくれ!」
刑事はゆっくりと視線をおれの方にあげた
「おまえっこれを見てもまだシラを切る気かっ!!」
刑事はパソコンの画面をおれの方にむけた。
「!!??」
おれは言葉を失った。
画面には変わり果てた希の姿が写っていた。
手も足も切り取られ、首も胴体から離れた血まみれの肉片にかわった希の姿が。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
おれは叫んだ
「静かにしろっ!この写真がどこから出てきたのかわかるかっ?」
「!?」
刑事は携帯電話を机に力強く置いた
「おまえの携帯電話からだっ!!」
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