逮捕

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これは本当に現実なんだろうか? まだ夢を見ている? 夢の中で夢を? 本当?真実?幻? 実はおれが殺った? そんなはずはない。 覚えてないだけ? 薬?副作用?忘れてる? 催眠術?操られた? 覚えてない?そんなことがあるのか? あれが希?首?血? おれが?希を?殺した? オレガノゾミヲコロシタ? 「うわぁぁぁ!うわぁ!!」 おれは目の前が霞んでいったのを覚えている。 気を失った。 「……!」 「……君!」 「勇君!」 「ハッ、希?」 「もー勇君、話してるのに寝ちゃうんだから」 「どうなってんだ?おれさっき警察に捕まって…」 「何言ってんの?悪い夢でも見たんでしょ?」 「え…?」 「どうしたの?凄い汗だよ」 「ハ、ハハッ…そうか…夢だったんだ…ハハッ」 「変なの…」 「あはははははっ!!良かった!」 おれはその場で力一杯希を抱き締めた 「ちょっ、なになに?急に」 「良かった良かった!」 ゴトッ 何かが落ちるような鈍い音がした。 「え?」 おれは後ろを見た 「勇君がそんなに強くするからとれちゃったじゃん」 床の上に転がった希の首がこっちを見て言った。 「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「うわっ!」 おれは目を覚ました。 そこは取調室。おれは夢を見ていたようだ。 「フフフ、気を失っていたようだな」 刑事は不適に笑った 「!」 そう、おれは気づいてしまった。いや、感じてしまった。 逮捕されたことも、警察署に来たことも、取り調べも…初めての経験だ。 だがそれだけでは到底拭えないような違和感をこの時覚えた… なぜ昨日まで普通にメールをしていた希が殺され、 足早とおれが犯人と断定できる? おれの携帯から希の死体の写真が出てきたとき、コイツらは携帯をもって取調室から出ていた。 そして、何だ?大した取り調べもまだしてないのに、さっき浮かべた不適な笑みは? 多分、いや、間違いない。誰かがおれを陥れようとしている。 そして、コイツら警察もグルなんだ…
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