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「わぁ」
沖田さんに連れられて私は京の町を歩いていた。
「すごい…。京の町ってこんなに賑わってるんですね」
あの夜とは違う。
もう冬だというのに、道の両側からは威勢のいい声が飛び交っている。
「そうだね。もう少しで大晦日だからみんな準備とかで忙しいんだよ」
私の隣を歩く沖田さんは周りを見渡して、言葉を溢した。
時代は違うけれど、京都には何度か来たことがある。
修学旅行で来たときは迷子になった私を春が見つけに来てくれたっけ。
「……」
ふと、春のことを思い出して
少しだけ胸の奥が苦しくなる。
会いたい、と思う感情を押し殺すようにぐっと拳を強く握り締めた。
「千昌ちゃん」
沖田さんの声にはっとして顔を上げる。
「ちょっとお茶でもしていこう」
そう言って沖田さんはひとつの茶店を指差した。
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