第三章

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「おっ、沖田さ」 「しー!静かに、勇坊に見つかっちゃう」 さらに力強く抱きしめられて、私の心臓が音をたてて動き出す。 意識しているわけじゃないのに。 顔に熱が集まってくるのが自分でもわかった。 「………」 「よし、行ったみたい」 そっと解放されて、私は恥ずかしさを紛らわすために深呼吸をする。 「千昌ちゃん?」 「はっ、はい?」 返事をした声がおもいきり裏返ってしまった。 「あれ~?」 そんな私を見て沖田さんはニヤニヤと口端を上げる。 「顔赤いけど大丈夫?」 「だ、大丈夫です!」 必死に距離をとるけれど、沖田さんから逃れることができない。 「そお?僕の見間違いかな?」 私を覗き込んだ沖田さんは楽しそうに笑った。 .
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