ログイン

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情報を、整理しよう。 ココは電脳世界(オンライン)。 『パラダイス・リアル』というゲームの、フィールドの森の部分。 このゲームは、現実の世界からプレイヤー自身がログインして冒険するという、新しい試みのもと制作されたもの。 未だ完成ではないが、今回試験的にプレイヤーをログインさせてみることになったのだという。 それが、ラズだというのだ。 「じゃあ……ここにいるのは、精神だけってこと?」 「そういうことだ。察しがいいな」 現実世界(オフライン)と電脳世界(オンライン)。 行き来するのに、生身の身体は使えない。 そこで開発されたのが、プレイヤーの身体を強制的に眠らせ、脳波に特殊な電波を当てることによって、精神を電脳世界に結ぶというシステムだ。 正直、よくわからない。 淡々としたイェルチの説明を受けながら、ラズは段々落ち着いてきている自分を感じていた。 「――というわけで、ココにいるラズは現実世界の精神を電脳世界に繋ぎ、グラフィックとして表したもの」 「いわば夢のようなもの、ってことか」 「そうだ。肉体は現実世界で眠っている」 夢だとわかれば、途端に気分が軽くなった。 夢だと断言される夢も珍しいだろうが、とにかくこれは夢なのだ。 ならば、知っているようで知らない奇妙な違和感も、自分のことすらよく思い出せないことも、気にしなくていい。 夢から覚めたら、全て問題ないのだから。 「ただ、問題はある」 心を軽くしたラズに、イェルチは抑揚なく告げた。
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