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チラとリビングのテーブルに座っている父さんを見る。
納豆をハンドミキサーでかき混ぜているがペースト状になった納豆を食べても美味しいのだろうか。いや俺は納豆自体が嫌いだから美味しくはないだろう。
「凉。話がある」
ハンドミキサーを回しながら父さんは俺に話しかけてきた。
馬鹿なことをしているがこの人は国立大の名誉教授やらなんかの立場の人だ。
馬鹿と天才は紙一重という言葉が似合いすぎている人だ。
「お前には1人で暮らしてもらおう」
「……え?育児放棄?」
「違う。
ルームシェアのアパートを管理していた知り合いが死んでしまい、アパートの権利を半ば強引に押し付けられてな。
どうせお前は引きこもりだし、そのアパートの管理人にでもと思ってな」
要約するとこうだ。
アパートを押し付けられた。
面倒くさい。
引きこもりいるじゃん。
管理人やらしたらいいんじゃね?
てことだな。
「まぁ…構わないけど」
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