プロローグ

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12年前の冬 俺と彼女が5歳の時だ... ある公園で僕は一人の女の子と一緒に遊んでいた。 「ねぇ、お山これぐらいでいいんじゃない?」 砂塗れになった手をこすり落としながら女の子に訊くと…… 「ダメだ! もっと大きいの作るんだ!!」 男口調を発しながら女の子は砂で服が汚れてしまっているのにお構いなしといった感じに手のひらで砂を寄せて山を大きくしていく。 「ねぇ、もう帰らない? お母さんに怒られちゃうよ」 「………弱虫」 その呟きがわざとらしく聞こえる位に、そしてからかうような眼差しでチラッと見てきた。 「ぼ、僕は弱虫なんかじゃないもん!」 「じゃあ、もう少し続けよう?」 「う……」 分かりやすい挑発に乗りやすい僕でも後でお母さんに怒られる事の方がよっぽど怖かった。 「……僕帰る」 「ふ~ん。帰っちゃうんだ」 「また明日。明日一緒に遊ぼ! それならいいでしょ?」 「………いいよ。約束だからね」 そう言って彼女は手を伸ばしてきたので此方も手を伸ばす。 キュッ 小指を組ませて例のアレを一緒に言い合う。 「「 指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーーます!指切った!」」 そう言った後、二人で自分達の家に帰った。 、
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