プロローグ

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翌日の朝 お母さんが作ってくれた朝ご飯を食べた後、直ぐに近くの公園へ向かった。 「遅い!」 公園に着くなり掛けられた言葉がコレである。 「香奈ちゃん早いね。 まだ八時ちょっと過ぎた時間なのに」 「レディはね、男より先に待ち合わせに着くものなんだよ」 それは逆ではないだろうか? と、通常なら思うのだろうが小さい頃の俺は分からなかったので只関心して頷くしかなかった。 「お山作りの続きをやろ!」 昨日は手で砂山を作っていた所為で爪の中に砂が入っちゃって洗うのが大変だったから今回はバケツとシャベルを持ってきた── 「今日はそんな気分じゃない」 「え……」 その一言に唖然した。 「今日はブランコで遊ぼ!」 なんてマイペースなんだ…… 昨日したばかりの『約束げんまん』が破られた。 「か、香奈ちゃん。 約束破ったら針千本だよ!」 「千本の針なんて此処には無いし飲まない」 約束を守る気なんてサラサラ無い、と言っているようなものだった。 、
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