プロローグ

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香奈ちゃんがブランコに乗ると押してと鋭い目付きで訴えてきた。 渋々と男のプライドが一欠片も無い幼少、和志は従って由香ちゃんの背中を押す。 「針千本が無いなら約束げんまんの意味がないじゃないか」 背中を向けている香奈ちゃんに言うと…… 「アレンジしたら良いじゃん」 一言だけ返ってきた。 「あれんじ?」 「アレンジって言うのは自分で考えた事って意味!」 あながち間違った説明では無い。 「へ~。 香奈ちゃんよく知ってるね!」 「和志がバカなだけ」 ちょっとムッときたがグッと我慢した。 「約束げんまんを自分でアレンジかぁ……う~ん」 ブランコに乗っている香奈ちゃんを押しながら約数十秒。 「……じゃあ、約束を破ったら何でも言うことを聞く事!」 「うん。良いんじゃない?」 香奈のその言葉に内心僕はガッツポーズをした。 「もし和志が約束を破ったら………私のお嫁さんになる事!」 「え?お嫁さん?」 普通ならお婿さんの筈だが、やはり幼少時代の和志は意味が分からず首を傾げた。 、
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