86人が本棚に入れています
本棚に追加
香奈ちゃんがブランコに乗ると押してと鋭い目付きで訴えてきた。
渋々と男のプライドが一欠片も無い幼少、和志は従って由香ちゃんの背中を押す。
「針千本が無いなら約束げんまんの意味がないじゃないか」
背中を向けている香奈ちゃんに言うと……
「アレンジしたら良いじゃん」
一言だけ返ってきた。
「あれんじ?」
「アレンジって言うのは自分で考えた事って意味!」
あながち間違った説明では無い。
「へ~。
香奈ちゃんよく知ってるね!」
「和志がバカなだけ」
ちょっとムッときたがグッと我慢した。
「約束げんまんを自分でアレンジかぁ……う~ん」
ブランコに乗っている香奈ちゃんを押しながら約数十秒。
「……じゃあ、約束を破ったら何でも言うことを聞く事!」
「うん。良いんじゃない?」
香奈のその言葉に内心僕はガッツポーズをした。
「もし和志が約束を破ったら………私のお嫁さんになる事!」
「え?お嫁さん?」
普通ならお婿さんの筈だが、やはり幼少時代の和志は意味が分からず首を傾げた。
、
最初のコメントを投稿しよう!