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「あのね……香奈ちゃん」
「んー……なぁに?」
ブランコを押すのを止めて隣の空いてるブランコに座り込む。
「僕もうすぐ引っ越すんだ」
「……え?」
ザザァッと香奈ちゃんがブランコを両足の踵で止めた。
「いつ?」
「えっと……次の水曜日」
「一週間後!?」
ブランコに降りると香奈ちゃんが僕の服を引っ張った。
「遠いの!?」
「え?うーん……お母さんが遠い所って言ってた」
「やだ!やだやだやだやだぁ!!」
グワングワンと和志の身体を凄い勢いで揺らす。
「あぅ~~」
「あ……ごめん」
パッと掴んでいた服を香奈ちゃんが放して解放してくれた。
「でも直ぐに戻ってこれるってお母さんが言ってたよ」
「ホント?」
「うん」
「いつ?」
「また『いつ?』なの?」
「早く言え!!」
怒声にビクッと怯えつつも香奈ちゃんに教える。
「えっとね……二年くらいって言ってた」
「長い!」
即答で反応した。
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