プロローグ

6/7
前へ
/22ページ
次へ
「あのね……香奈ちゃん」 「んー……なぁに?」 ブランコを押すのを止めて隣の空いてるブランコに座り込む。 「僕もうすぐ引っ越すんだ」 「……え?」 ザザァッと香奈ちゃんがブランコを両足の踵で止めた。 「いつ?」 「えっと……次の水曜日」 「一週間後!?」 ブランコに降りると香奈ちゃんが僕の服を引っ張った。 「遠いの!?」 「え?うーん……お母さんが遠い所って言ってた」 「やだ!やだやだやだやだぁ!!」 グワングワンと和志の身体を凄い勢いで揺らす。 「あぅ~~」 「あ……ごめん」 パッと掴んでいた服を香奈ちゃんが放して解放してくれた。 「でも直ぐに戻ってこれるってお母さんが言ってたよ」 「ホント?」 「うん」 「いつ?」 「また『いつ?』なの?」 「早く言え!!」 怒声にビクッと怯えつつも香奈ちゃんに教える。 「えっとね……二年くらいって言ってた」 「長い!」 即答で反応した。 、
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加