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「でもちゃんと戻ってくるんだよ」
「だけど……二年は長いよ」
「うーん……
あ、約束げんまんする?」
そう言って小指を香奈ちゃんに突き付ける。
「約束?」
首を傾げながらも香奈ちゃんが小指を差し出して僕の小指と組む。
「二年ちゃんと戻ってきたら、また一緒に遊ぼ」
「じゃあ 私は二年経っても和志が戻って来なかったら和志の所へ行ってぶってやる!」
「え?ぶつの?痛いのはヤダ」
「約束守ればいいだけの話だよ」
「う、うん」
「それじゃ、せーーっの!」
「約束げんまん嘘ついたら針千本──「ストーップ!!」え?」
香奈ちゃんが意気なり空いてる右手で『待った』をかけた。
「どうしたの?」
「針千本じゃないの。オリジナルのほう!」
あ、そっか
「じゃあ、えーっと……約束げんまん嘘ついたら僕がお嫁さん?になって香奈ちゃんが──」
「お婿さんになーーる♪
指切った!」
最後は香奈ちゃんが言って組んでいた小指を放した。
「約束、今度はちゃんと守るからね!」
香奈ちゃんが笑顔で言ってきたので、つられて僕は首を縦に振った。
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