ロボット愛好会。

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大輔はさっきから目の前の少年が行っている作業がどうやらプラモ作りだと気付き、自分もその腕には自信があるってことを伝えることにした。     「お、俺もプラモ作りにはちょっと自信があるんです。前に市内のジオラマコンテストで賞も貰ったことがあるんですよ!」     恐る恐るそう言うと、少年は声を上げて笑った。 そして表情を強張らせると、吐き捨てるように言った。     「僕は、誰にも負けないものって言ったんだよ。市内のコンテストで入賞なんてありふれた結果じゃ入会の条件を満たすことは出来ないから帰ってくれよ。それと、僕の作っているこれ、プラモなんかじゃない。これはロボットだ。君はここにプラモを作りにきたのか?」     そういうと少年はまた眼鏡のふちを軽く持ち上げ、手に持ったロボットを机の上に立たせると、なにやらスイッチのようなものを操作した。 そうすると、ロボットの目が一瞬光を放つ。     「君はロボットコンテストで名門と呼ばれたここ玉ヶ袋工業高校のロボット愛好会を少し見くびっているようだね。これはまだ開発途中のロボットなんだが、ちょっとだけその片鱗を見せてあげよう」
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