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キュイーンと動力が稼動するような音が響くと、ロボットは机の上を歩き始めた。
その動きは極めて滑らかで、まるで小さな人間が歩いているようにスムーズで違和感がなく、もはやロボットの動きとは思えないほどの完成度だ。
ロボットが机の端に到達すると、落下を懸念した大輔が思わず手を差し伸べようとしたが、ロボットは自らその歩みを止めて見せた。
そして方向を転換するとその動きを止めた。
凄い!
大輔は心からそう思った。
これほどまでに完璧な二足歩行が出来るロボットを大輔は見たことがなく、感動のあまり言葉を失った。
凄い、凄い!
大輔は何度もそう思い、同時にこの愛好会へ入会したいという思いが更に高まる。
「さて、こんなもんで驚いてもらっては困るよ。君、ちょっと後ろに下がりたまえ」
少年がそう言い大輔を後退させた。
そうすると、手元のスイッチを操作する。
程なくしてロボットが乗せられていた机を透明なドームのような物が覆う。
少年が続けて言う。
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