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時は7月下旬-夏真っ盛りである。
普通の高校三年生の俺、金守 陣(かなもり じん)は先程の補習中に居眠りをしていた容疑で担任に引っ捕らえられていた。
先生「眠いのはわかるが、貴様の為の補習なんだがなぁ。」
そうだった。部活を引退してからというもの、みょんに(なんだこの口調…)勉強に身が入らなくなり、成績を著しく落としてしまっていた。
先生「国公立大学に入るにはそれなりの学力がいるぞ。」
「親も、親戚もいませんしね。」
先生「-ッ。」
先生が黙り込んだ。
このような話題は苦手なようだ。
「冗談ですよ先生。親がいなくたって俺は元気で生きてますしwww」
先生は黙り込み、ますますムードは悪くなった。
(あれ…いつもなら、「そんな冗談を言うんじゃない!」と返してくるのに…)
先生「そのことなんだが…実は先程お前を訪ねてきた人がいてなぁ…」
何か聞いてはいけないような事をきいてしまった気がする。
頭の中で誰かが叫んでいる気がする。「まだ間に合う-」と。
そして俺はパンドラの箱をあけてしまった。
「-その人の名前は…」
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