382人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
「お前、どうしてこんな……。
うわぁぁあぁぁ!!」
そう言って達河先生は椅子から転げ落ちた。
リョウは予想していたより大きな叫び声にびっくりして、
その場で尻餅をついてしまった。
手には血まみれのナイフが握られている。
全身も返り血を浴び、
所々赤くなっている。
早くこの場から逃げないと。
リョウは震える足を叩き、
やっとの思いで立ち上がると、
下駄箱を目指し、
一直線に駆け出した。
この時外はすっかり暗くなっている。
校舎の中も闇が支配している。
誰にも見つかるはずがない。
そう思ってはいたけど、
早くその場から立ち去りたかった。
もうすぐで校舎から出れる。
下駄箱を視界に捉えようやく安堵しかけた時、
周りに人の気配を感じた。
誰かいる。
そう思った次の瞬間、
「リョウ君。」
という声が後ろから聞こえてきた。
最初のコメントを投稿しよう!