第五章 リョウ 後編

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「お前、どうしてこんな……。 うわぁぁあぁぁ!!」 そう言って達河先生は椅子から転げ落ちた。 リョウは予想していたより大きな叫び声にびっくりして、 その場で尻餅をついてしまった。 手には血まみれのナイフが握られている。 全身も返り血を浴び、 所々赤くなっている。 早くこの場から逃げないと。 リョウは震える足を叩き、 やっとの思いで立ち上がると、 下駄箱を目指し、 一直線に駆け出した。 この時外はすっかり暗くなっている。 校舎の中も闇が支配している。 誰にも見つかるはずがない。 そう思ってはいたけど、 早くその場から立ち去りたかった。 もうすぐで校舎から出れる。 下駄箱を視界に捉えようやく安堵しかけた時、 周りに人の気配を感じた。 誰かいる。 そう思った次の瞬間、 「リョウ君。」 という声が後ろから聞こえてきた。
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