第五章 リョウ 後編

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「うん。覚えてるわよ。 約束は守るわ。」 「だったら……」 リョウはレイを強引に抱きしめ、 キスを迫った。 もう少しで唇が触れ合うという瞬間、 「やめて!!」 という声と共に、 リョウは後ろに突き飛ばされた。 尻餅をついたリョウは両手で身体を支え、 レイを睨んで言った。 「どうしてさ。約束でしょ?」 リョウがそう言うと、 レイは顔を背けて言った。 「わかってるわ。 でも今日の所は待って。 まだ心の準備が出来てないの。」 「心の準備? レイちゃん、さっき言ったよね? 今日僕が達河先生を殺すことを予想してたって。 だったら心の準備だって出来てるはずでしょ?」 「それはそうだけど……。 今日は嫌。 明日、明日なら好きなだけキスしてもいい。 身体だって好きなだけ抱かせてあげるわ。」 「明日か……」 「そうよ、明日。明日ね!!」
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