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今になって思う。
あの出来事は、
幼い頃に読んだ『かぐや姫』という物語に似ていたと。
竹から生まれた美しい姫が、
求婚してきた五人の男に、
結婚の条件として難題の達成を持ち掛けた。
僕はそんな物語と、
あの時の自分の状況を照らし合わせていた。
華宮レイという美しい少女の、
心も身体も全てを手に入れるため、
幼なじみの五人で、
彼女の願いを叶えようとする。
『かぐや姫』の中の五人は、
提示された願いを叶えることができなかったけれど、
僕達はあの時、
自分ならやれる、やるしかないと思っていた。
僕達はレイの願いを叶える為に必死になった。
レイという姫から出された願いはただ一つ、
全員共通のものだった。
その願いとは……。
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