リョウ 回想(1)

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今になって思う。 あの出来事は、 幼い頃に読んだ『かぐや姫』という物語に似ていたと。 竹から生まれた美しい姫が、 求婚してきた五人の男に、 結婚の条件として難題の達成を持ち掛けた。 僕はそんな物語と、 あの時の自分の状況を照らし合わせていた。 華宮レイという美しい少女の、 心も身体も全てを手に入れるため、 幼なじみの五人で、 彼女の願いを叶えようとする。 『かぐや姫』の中の五人は、 提示された願いを叶えることができなかったけれど、 僕達はあの時、 自分ならやれる、やるしかないと思っていた。 僕達はレイの願いを叶える為に必死になった。 レイという姫から出された願いはただ一つ、 全員共通のものだった。 その願いとは……。
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