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次の日、
五人全員がレイの家にいた。
ただそのこと自体は驚くことではなかった。
皆がレイを狙っていた。
いつからかはわからない。
物心がついた頃から皆ライバルだった。
約束の時間より三十分も早く全員が集まったため、
レイは時間よりも早く話を切り出した。
「皆ありがとう。」
レイは小さな声でそう言った。
「レイちゃん。どうしたの?
何かあったの?」
リョウは明らかに元気のない様子のレイを気遣いそうきいた。
「実は……。
私、皆にお願いしたいことがあって……。
それがね。それが……。」
レイはか細い声でそこまで言うと、
一筋の涙を流した。
「レイちゃん。どうしたの?」
近くにいたシンジが慌ててハンカチを取り出し、
レイの前に差し出した。
「大丈夫。ありがとう。
ごめんね。
急に泣いたりして。
ダメね。私。」
そう言ってレイは顔をあげた。
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