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その声を聞いたリュウセイは、ルーフの方を振り向く。するとそこには、ノムをつまむルーフの姿があった。そしてルーフにつままれるノムは、ドタバタと小さな手足を動かしながら嫌そうにしている。
「なんだよ~離せよ~。やめろよ~!」
それを見ていたリュウセイは、ルーフに話しかけながらゆっくりと近づく。
「ああ、それはノムだ。ノムも俺も被害者みたいだな。
これから俺たちは、どうすればいいのか……」
そんな不安そうなリュウセイの頭を、幼馴染のルーフが、ポンッと優しく叩く。
「そうね、生きていただけでも奇跡だわ。
こんなこと今までにないから、どうしたらいいのか……とりあえず今は変に動かないほうがいいかもね」
そう言ってルーフは、ノムを机の上に置く。それから3人はそれぞれの顔を合わせ、少しの間沈黙が続いた。そしてリュウセイは、テレビの横に置いてある財布を手に取り、2人に向かって喋りかけた。
「じっとしてても何も変わんねえし、今からネットカフェでも行くか。
もちろん、事件のことを調べにな」
そう言うとリュウセイはノムを胸ポケットに入れ、部屋を後にする。それを追いかけるようにして、ルーフも部屋を後にした。
「待ってよ。私も行くわ」
それから1日、3人はネットカフェで事件について調べ続けたのである。
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