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暗闇の中、そこは1本のロウソクで照らされており、2人の男が会話するのが聞こえる。
「サン・ライズ・アイランドで動き出したみてえだぞ。どうする? 俺たちもそろそろ動くか」
「そうだな、だがまだこの体で遊んでいたい。何人か仲間にするってのも面白くないか?」
「確かにな、それもいい。任せとけ、騒動にならないように確実に6人は捕まえてくる」
「わかった、任せたぞ。俺はここに残る」
2人の会話が終わり、うち1人が暗闇の中から出て行った。どうやらそこは、深い洞窟だったようだ。
場面は変わり、活気溢れる街の中。先ほど洞窟を出た男が、黒い服を身にまとい、人通りの多い歩道を歩いていた。そしてその男は、街を歩く人々にキョロキョロと目を向けている。少し時間が経つと、マスクをして咳き込む1人の男の背後をつけ始めた。すると黒い服の男は、マスクをつけた男の背後で、右手の人差し指を天に向けたのだ。その指に1匹の蚊が止まる。
「あいつの血を吸ってこい」
黒い服の男がそう言うと、蚊はマスクをつけた男の首に止まる。それから約30秒間、蚊は血を吸い続け、黒い服の男の指先に戻った。そして男は指先に止まった蚊を潰し、そこについた血をペロっとひと舐めしてつぶやく。
「O型か……くそっ。次だ」
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