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グラスに注いだオレンジジュースはリュウセイ。蓋に注いだオレンジジュースは、棚の上に腰掛けているノムに渡し、それを飲みながら会話を始めた。
それから2人が5分ほど会話をすると、部屋のインターホンが鳴る。
ピーンポーン
そして玄関の向こう側から、女性の声がした。
「リュウセイいる? 私、ルーフだけど、入るわよ」
その声の持ち主である女性ルーフは、リュウセイの返事を待つことなく、スタスタとアパートへ入ってきてしまった。
そんなルーフの行動に慌てたリュウセイは、オレンジジュースを飲んでいるノムを無理矢理引き出しに押し込む。そしてルーフは、リュウセイたちがいる部屋の入口である、モヤッとしたガラス張りのドアの前に立った。ドアの向こう側にルーフの影が見えたリュウセイは、ノムを入れた引き出しを慌てて尻と両手で押さえる。するとリュウセイは自分が映るドアを見て、言葉を失った。
「……あ…………」
そう、リュウセイはワゴン車に乗っている時と同じように、エメラルドグリーンの鱗で埋め尽くされていたのだ。
ガチャ……
ドアが開き、ルーフが部屋に入ってくる。そしてルーフは真っ先にリュウセイを見ると、驚いた表情で口を開いた。
「あ、リュウセイ……あんた……」
そんなルーフを見たリュウセイはとても焦った様子。
「あ、あ、いや、ちが、違うんだ! これは、なんていうかその……」
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