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言い出したら聞かないマナを一瞥するショウくんが、すんなりOKを出さないのには理由がある。 再び私へ目配せし、「オレはいいですけど……」と、私の対応を窺ってきた。 私もマナのわりと頑固な性格を知っているから、飲みに行く事を拒否出来ないのは予測出来るし、それは一向に構わない。 だけど、ショウくんが懸念している事を踏まえると、彼が一番安心出来る方法は提案した方がいいと思う。 「ショウくんが迷惑じゃなかったら、一緒にどう?」 私の言葉に素早く反応したのはショウくんではなく、俯いた顔を振り上げたマナの方だ。 「女同士で飲むのっ。ショウは駄目っ」 ひっそりとしていた店内に、マナの声が響き渡ると、賑わっていれば然程気にならなかった筈の周囲への迷惑を察知し、視線を泳がせた。 案の定、数組の客のほぼ全員の視線がこちらに集まってしまい、密かに羞恥が煽られる。 「マーナ、近所迷惑。……明菜さんが、そう言ってくれると助かります」 ショウくんはマナの頬を軽くつねりながら、申し訳なさ気に返答した。 「気にしないで。私も、マナを一人で担いで帰れる自信ないし、飲むなら一人でも多い方が楽しいから」
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