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タツキとは高校の時から付き合い出して、4年ちょっとになる。
付き合い始めの頃は好きで好きでしょうがなくて、ただ隣の席の女の子と話したりするのだけでも嫉妬してたのに……
いつから、そういうのも諦めるようになったんだっけ……
大学生デビューしたタツキは、男女問わず、色んな友達とつるむようになっていった。
そのくらいの交友関係でいちいちヤキモチ妬いて、鬱陶しい女になりたくなかったから、ある程度の行動は黙認してた。
それでも、高校の頃からすると大分回数も減ったけれど、デートだってしてたし、ちゃんとキスだって……抱き合うことだってあった。
“ちゃんと”だって……笑える。
自分の気持ちを整理しながら、ヒカリを前にして思わず出そうになる嘲笑を噛み殺す。
いつからそれが義務のようになってたんだろうか。
一応“彼氏”だからデートして
一応“彼氏”だからキスして、抱き合って……
会いたいとか傍に居たいとか、あの頃の燃えるような強い“想い”は、ただの“義務感”に成り下がってしまったような気がする。
嘲笑を誤魔化すために、ふ、と小さく溜め息を吐くと、ヒカリが様子をうかがう視線を私に向けていた。
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