4/21
前へ
/673ページ
次へ
タツキとは高校の時から付き合い出して、4年ちょっとになる。 付き合い始めの頃は好きで好きでしょうがなくて、ただ隣の席の女の子と話したりするのだけでも嫉妬してたのに…… いつから、そういうのも諦めるようになったんだっけ…… 大学生デビューしたタツキは、男女問わず、色んな友達とつるむようになっていった。 そのくらいの交友関係でいちいちヤキモチ妬いて、鬱陶しい女になりたくなかったから、ある程度の行動は黙認してた。 それでも、高校の頃からすると大分回数も減ったけれど、デートだってしてたし、ちゃんとキスだって……抱き合うことだってあった。 “ちゃんと”だって……笑える。 自分の気持ちを整理しながら、ヒカリを前にして思わず出そうになる嘲笑を噛み殺す。 いつからそれが義務のようになってたんだろうか。 一応“彼氏”だからデートして 一応“彼氏”だからキスして、抱き合って…… 会いたいとか傍に居たいとか、あの頃の燃えるような強い“想い”は、ただの“義務感”に成り下がってしまったような気がする。 嘲笑を誤魔化すために、ふ、と小さく溜め息を吐くと、ヒカリが様子をうかがう視線を私に向けていた。
/673ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8217人が本棚に入れています
本棚に追加