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「そんなに軟派に見えるかなぁ」
「……見えない、です……でも、先生モテるでしょう? 私じゃなくても、他にもご飯くらい誘える女性はたくさん居るはずだし……」
手に取ったグラスをコースターに戻し、真っ直ぐに私を見つめる綺麗な瞳は……暖色の明かりを取り込み、穏やかに煌いている。
「自慢するつもりはないけど、まあ……誘われることはあるよ」
「……」
「だけど、こんな風に誰かを誘ったりしたことはない」
……私は、期待していたのかもしれない。
「……君が、初めて」
本田先生は、私が思っていた通りの紳士で、
……あのときの彼のような……優しくて温かな掌を持っているんじゃないだろうか、と。
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