第一章 【帰還……そして……】

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 「本当に怒ってないよな……?」  恐る恐るフルに問いかける。俺を誘い出すためにナルガとフルを利用して……。いや、ないな。あいつはそんな姑息な手段を使わないやつだ。だとすると本当に怒ってないのか?  「……大丈夫」  ここは皆の事を信じるしかないな。よし、思いきって開けよう。  「た、ただいま……?」  思いきって扉を開く。家の中は明かりもなく、つきの光だけが頼りだった。入った俺に出迎えはなかったものの、怒声もなかった。  「……寝る」  ふらふらとフルが歩き出す。本当にマイペースだなこいつは……。
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