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「よし、開けるぞ?」
一応後ろの皆に声をかける。ギィギは相変わらず俺の腕の中にいる。
「ただい──」
「──待たせすぎだバカ」
扉を開こうと手をかけるまでもなく扉が開いた。中から出迎えてくれたのはガルとフル。ああ、匂いで気づいたのか。
「よくも長い間私たちを待た……せ……」
ガルがそこで言葉を止める。ガルの目はこちらを見ておらず、後ろの皆。そして俺の腕の中のギィギへと移る。
「……おい」
「いや待て違う誤解だ」
「私たちが貴様の帰りを心待ちにしていたのを貴様は……」
誤解している。絶対にこいつは誤解している。違う俺の子じゃないんだ。
「いや、ちょっと待って違います」
「やかましいっ!貴様の顔など見たくない!出ていけっ!」
大きな音を立てて扉が閉まる。話す余地すらもない。それに出ていけって俺の家……。
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