第四章 【Bチームが最高得点だった週】

2/7
前へ
/64ページ
次へ
 「ちょっと待ってほんと洒落にならないから」  俺は慌ててナルガを押しのける。このままでは俺のプッチババランスが危うくバーシニャキオーンになってしまうおそれがある。  ただでさえ、複数の奴らに迫られてる現状でこれは危ない。  「……主人は私が相手じゃ不服か?」  「いやそれはない」  即答してしまったが事実なのだ。それは否定しようがない。  だが、時間と場所を選べと言うべきなのか。幸か不幸か明日もギルドからの依頼が来ているのだ。さすがにここで体力を使い、依頼に支障が出ました。じゃ、話にならない。  「確かに不服じゃない。不服じゃないけど……時間と場所をわきまえよ?な?」  「……」  ナルガは黙り、そっと俺から離れる。  ああ、分かってくれたんだな。と安心したのもつかの間。ナルガは衣服を脱ぎ去り生まれたままの姿になる。  いや、生まれたときは飛竜だったし語弊があるか……?なんにせよ、要するにナルガは今全裸なのだ。  「なあ、主人。今は私と二人きりだ。陽も沈んでもう深夜。時間も場所もちゃんと弁えているんじゃないか……?」  そう言いながらナルガは、じわりじわりと距離を詰めてくる。    「……確かにそりゃそうだ」  「だろう?」  やがて、ナルガは再び俺を押し倒し、当初の状況へと戻ることになった。ああ、もう何を言っても無駄なんだろう。ここで明日の依頼を話したところで聞く耳持たないだろう。  「主人。夜は長いぞ……?」  今日の夜もまた長くなりそうである。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1407人が本棚に入れています
本棚に追加