第四章 【Bチームが最高得点だった週】

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「あー……。すっげえ疲れた」  猛るヴォルをなんとか抑え風呂を無事脱出した。  私が服を着せると意気込むヴォルの主張を飲み、服はヴォルが着せた。  それまではよかった。問題は今現在だ。  「どうです?暖かいですか?」  「ああ、うんもう突っ込むのもめんどくさい」  昼寝をしようと布団に向かったのまでは良かった。  しかし俺の目の前に入ったのは掛け布団の無くなった布団である。  ヴォルに尋ねた結果――    「私が掛け布団です」  ――と笑顔で返された。肉布団とでも言いたいのだろうか。  寝たかった俺は特に何かを要求するもなく寝ようとしたのだが……。  「暑い」  そう、暑いのである。暑いだけならまだいい。  ヴォルに抱きしめられ自由に寝返りをうつこともできない。  安眠できない布団に意味などあるのだろうか。いや、ない。  「なあ……」  「ダメです。今日は私の番なんですから自由にさせてもらいますよ?」  そういう順番じゃなかった気がするんだが……。取り付く島もない。  反応を見るに我慢して寝るしかないのだろう。色々な意味で。
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