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「あー……。すっげえ疲れた」
猛るヴォルをなんとか抑え風呂を無事脱出した。
私が服を着せると意気込むヴォルの主張を飲み、服はヴォルが着せた。
それまではよかった。問題は今現在だ。
「どうです?暖かいですか?」
「ああ、うんもう突っ込むのもめんどくさい」
昼寝をしようと布団に向かったのまでは良かった。
しかし俺の目の前に入ったのは掛け布団の無くなった布団である。
ヴォルに尋ねた結果――
「私が掛け布団です」
――と笑顔で返された。肉布団とでも言いたいのだろうか。
寝たかった俺は特に何かを要求するもなく寝ようとしたのだが……。
「暑い」
そう、暑いのである。暑いだけならまだいい。
ヴォルに抱きしめられ自由に寝返りをうつこともできない。
安眠できない布団に意味などあるのだろうか。いや、ない。
「なあ……」
「ダメです。今日は私の番なんですから自由にさせてもらいますよ?」
そういう順番じゃなかった気がするんだが……。取り付く島もない。
反応を見るに我慢して寝るしかないのだろう。色々な意味で。
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