第一章 【帰還……そして……】

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 「まだ起きてますか……?」  受付嬢に声をかけられる。  「……起きてますよ」  「あの……えっとですね……」  妙に歯切れの悪い受付嬢。やはり共に寝るのが嫌でそれを言おうとしているのだろうか。それなら好都合……好都合だが少し悲しくもある。  「良かったらなんですけど……。これからは私の家で暮らしませんか……?」  ……え?今なんていった?俺が?受付嬢の家で?暮らす?暮らす理由より何より驚きが大きい。それに……何故俺にここまで?  「どうしてそこまで俺によくしてくれるんですか……?」  「ふふっ……好きだからに決まってるじゃないですか」  そういうと受付嬢は体勢を変え、俺の上に乗り掛かる形になる。  「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやちょっと?ねえ?ちょっと?」  いきなり告白されても困る。受付嬢と親しいわけでもなく、ただクエストの受注や報告の時に軽く話したぐらいだぞ?  「ずーっと……見てたんですよ?出発の時も帰ってきたときもいつも笑顔で……。いつの間にか惹かれちゃってました」
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