第1章

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 それからアレクとは、3回ぐらいジュニア大会で会う事があり、その3回とも嫌がるアレクにまとわりついていたことを覚えている。     『アレク!』   『ヒカリ・・・、君もこの大会に出ていたのか・・・』   『うん!』   『知っていたら出なかったのに・・・』   『何?』   『・・・いや、なんでもない』      こんなふうに会話からわかるように、私はアレクに非常に嫌がれていた存在だったのだ。     『水が飲みたい!』   『それが水だが?』   『違うって! 普通の水は、こんなシュワシュワ言わねぇもん!!』   『水はこれしかないんだからこれで我慢しろ』   『こんなの嫌だ~! 普通の水を探しに行こよ~』   『馬鹿を言うな。もうすぐ開場なんだぞ』   『喉が渇いた~!』   『飲みたければ、自分1人で探しに行け』      文句を言いながらも、アレクは、海外に不慣れな私の面倒をよく見てくれたと思う。  
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