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ドアの向こうから若い女の甘ったるい声が聞こえる。
真っ最中なのは容易に想像できた。
僕は胸を高鳴らせドアを少しだけ開け、中を覗く。
唾を飲み込みながら、チャックを開けた。
僕は自分で女性を抱くより他人がしているのを見るほうが興奮する性癖があり、こんな場面を見せられたら…もう堪らない。
2人の情事が終わるのを見計らい、射精した。
「ふぅ…」
思わず吐いた溜め息が女に聞こえてしまったらしく…女が声を出した。
「誰!?」
一瞬で背筋が凍りつく。
すぐに社員の男がドアを開ける…僕は逃げ出しても無駄だろうと観念していた。
「君か…覗き見とは、趣味が悪いな」
ため息混じりの社員の言葉…冷たい視線が突き刺さる。
「すいません、忘れ物を取りにきたんです」
「そうか、一応言っておくが…言いふらすなよ」
ネクタイをしめ直しながら社員が言う。
なんだってこんなに上から目線なんだ?
無視して休憩室に入り、ロッカーを開け荷物をとる。
女を見ると、ソファーに座って下着姿のままタバコに火をつける女。
確か…社員の男は結婚していて子供もいる。
火遊びか…下らない連中だ。そう思いながら見ていると、女と目があった。
「あんたチャックが開いてるわよ?まさか、私たちをオカズに?」
「小便した後、閉め忘れただけです。失礼します」
チラリと社員の左手薬指の指輪を見て、部屋を出る。
妻子がいるのに満足できないのは、愛が偽りだからだろうか?
それとも、単に物足りないだけか…
聞きたい気持ちを抑え、荷物片手に家路を急ぐ。
少し頭がボーとする…今日は色々あったから、やはり熱が出てしまったのだろうか?
アパートに帰ったらすぐに風邪薬を飲んだ。
具合は…悪くない。
体の火照りもいくらかマシになったが…気持ちが高ぶっているせいか眠れそうにはない。
眠くなるまでゲームでもしよう。
パソコンの電源を入れると、画面には違う世界の僕が映る。
装備を確認しながらフレンドにチャットをする。
「こんばんは。一緒に狩りにいかない?」
「良いよ」
すぐに返事が返ってきた。
僕は、良く行動を共にしている仲間と狩りをする為に森へ向かう。
森の奥に住まう大型魔獣を倒すべく、門番と魔物の仲間を倒す。
ようやく大型獣にたどり着いたが、あっさり倒せてしまった。
強すぎるのも困るが…弱すぎるのもつまらない。
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