05…悪夢の始まり

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「充電器返すぜ」 仮眠室で寝している日村の耳に、烏野の声が入る。 そういえば、携帯の充電器を貸したままだった。 まだ完全に開かない目で、自分の携帯を見ると…画面は真っ暗。 電池切れてるし…そう思いながら充電器を携帯に挿し込み電源を入れた。 それから数分後、すぐに電話が鳴る。 相手はソラ。 「どうした?」 「どうしたもこうしたもあるかぁ!!何回電話したと思ってるのよ!?」 日村の普通の受け答えは、ソラの怒りの炎に油を注いだ。 「す、すまん…電池切れてて」 「とにかく、早くマンションに来て!レンジが行方不明なのよ!」 いまいち状況がのみ込めないまま、日村はマンションへ向かった。 運転の最中、再び電話が鳴る。 次は、的場からだ。 「新たな検死結果が出た。至急、こちらへ来てくれ」 なんだか、最近よく携帯が鳴る…俺、モテモテだな。 などと思いながらも、まずはレンジを見つけるのが優先だと考えた。 「俺は今、手が離せない。烏野をいかせる」 烏野に的場のところへ行くようにと連絡し、ソラと合流しソラが待つ部屋に入る。 「レンジが帰ってこないって…何があったんだ?」 ソラは偶然手にいれたDVDや仁保に会った事を日村に話す。そして、歓楽街で襲われた話をしている最中…暑いと言いながら日村がジャケットを脱いだ。 その時、ポケットから写真が落ちた。 「…これ」 写真には、寛人が映っている。 「あ、それな…実は今回の事件に絡んでる可能性が高い奴なんだ」 寛人が…事件に関与している? ソラは一瞬、戸惑ったが…寛人は体を張って自分を助けてくれた。 いわば、恩人。 きっと、何かの間違いだろうと判断し日村に寛人の事を話すのは止めた。 「で、妙な連中に襲われてどうやって逃げたんだ?」 「近くにいた警官に助けてもらったのよ」 そんな話をしている最中…またもや日村の携帯が鳴る。 今度は…菅野真代からだ。 何か寛人や杉田の事で何か思い出したのかと思い、電話に出た。 「もしもし、どうしました?」 「いえ、よくよく考えましたら…先程は失礼な態度をとってしまったなと…一言、謝りたくて」 「何だ、そんな事は気にしないで下さい」 早々と会話を終わらせようとする日村をひき止めるように菅野は言う。 「そ、それから…もし良ければ、お時間がある時にお会いできませんか?」
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