日常が非日常に変わる時

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キーンコーンカーンコーン……。 教室内に終業を知らせるチャイムが鳴る。 『ん~っ。今日の授業は終わりだぁ』 黒いストレートロングの大人しそうな女子が伸びをする。 教室内の皆は各々教材を片付け、放課後にする事で盛り上がっている。 『マ~リアッ。今日も先輩の雄姿を見に行くよっ』 そう言って来たのは、茶髪のカールした髪をポニーテールに結ってる元気そうな女子。 『え?あ、うん』 マリアと呼ばれた女子は、相手に返事をする。 『ほら早く行くよっ。ベストポジションをキープして先輩の雄姿を見るんだからっ』 『わわっ。そんなに引っ張らないでよ明美ちゃん』 マリアは明美に引っ張られながらも教室を出て行く。 グラウンドに着くと既に結構な人数の女子が集まっていた。 『あぁ~っ。もぅこんなに居るじゃん。マリアがモタモタしてるからだよ』 悔しそうに言う明美。 『ご、ごめん……』 マリアは明美の剣幕に引きながらも謝る。 『とにかくセンターに行くよ』 明美にマリアを責めてる気は無いのか、謝るマリアを気にせず、人垣を掻き分けて行く。 マリアも、そんな明美の後に着いて行く。 女子達に揉みくちゃにされながらも進み、前列に着いた頃には試合は始まろうとしていた。
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