日常が非日常に変わる時

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バスケ部のエースである男子が相手チームのディフェンダーを軽快にかわし、男子の放ったボールは意思を持ってるかの様に、綺麗な弧を描いてネットの中へ飛び込む。 『キャーッ。カッコイィ~ッ』 『桜葉くんステキ~ッ』 女子達から黄色い声が上がる。 桜葉と呼ばれた男子、余裕なのか爽やかな笑顔を女子達に振り撒く。 それを期に、女子達の黄色い声は増す。 マリアも声には出さずとも、桜葉を見つめている。 マリアも爽やかで優しい桜葉に憧れているのだ。 試合は桜葉チームの圧勝に終わり、桜葉がベンチに向かって歩く。 その途中、桜葉の視線が明美やマリアが居る付近に留まる。 マリアは緊張したのか、硬直する。 『今、桜葉くん私を見たわっ』 『違うわよ私を見たのよっ』 『私よっ』 付近の女子は騒ぎ出す。 もちろん明美も騒いでいる。 女子達が騒いでいる内に、桜葉は名に食わぬ顔でベンチに座り、水分補給をしていた。
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