日常が非日常に変わる時

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『いやぁ今日も先輩かっこよかったぁ』 桜葉の試合観戦後の帰宅路、明美が語る。 『うん。かっこよかったよね』 マリアが控え目に返す。 『はふぅ。明日まで先輩に会えないと思うと切ないわ』 明美が溜め息を漏らし、切な気に言う。 『うん……。でも桜葉先輩って遠く感じるよね』 マリアが呟く様な、小さい声で言う。 『遠いか……。まぁ分かる気もするけど親近感が有るわよね。優しくて笑顔が素敵で……あぁっ。もう先輩の魅力なんて在り過ぎて一言じゃ語り切れないわっ。あ、じゃあ私は此方だから。じゃあねマリア。また明日~』 熱く語ってたかと思うと、分かれ道に来た明美は、アッサリと去って行く。 何時もの事なのか、マリアは慣れた様子で明美を見送る。 明美をしっかりと見送ってから、マリアは日が暮れて薄暗く成って来た道を足早に進む。 静けさが続く中、急に後方からバサバサッと鳥が羽ばたく音が辺りに響く。 マリアは驚いて、ビクッと成りながらも振り返る。 先ずマリアの視界に入ったのは黒い翼。 カラスの様な黒い翼。 それは大きな翼を背中に生やした男の物だった。 『お前を迎えに来た』
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