2st~Mistake

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2st~Mistake

例の暗い洋館に白兎が降り立った。硬いホールには靴の音が反響する。相変わらず天井のぼんやりとした絵が白兎を見下ろしている。 「一人、送り出しました。」 白兎が報告する相手の姿は見えない。しかしそんなことには構わずに、白兎は言葉を続ける。 「実力はまだまだですが、素質はあるようです。」 何かに向けて話ながら、中央に歩みを進める。 「……ええ、分かりました。次はクローバーですね。」 白兎は一礼をすると音もなく消え去った。 このとき白兎はココロに重大なミスをしていたのには気付いていなかった。
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