1st~ contact Kokoro

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「うわあ、やっべ、遅刻する!」 散らかり放題の部屋で少年、有田ココロは時計を手に取り、叫び声を上げた。時刻は午前8時30分。 「母さん!なんで起こしてくれなかったんだよ!」 ベッドの上から扉に向かって怒鳴る。 「お母さん何回も起こしたわよー」 母親の話を無視して急いで服を着る。 「今日はカードの大事な試合なのに!うあああ!」 今日は“カード”の地区大会だ。この大会に勝てば県大会、それに勝てば全国大会に行ける。ちなみにココロはシングルに出場する。 慌ただしく支度を済ませる。そして机の上にある手のひらサイズの直方体の箱を手に取った。 「……頑張ろうな。」 一言語りかけるとポケットに入れて部屋から出た。 「行ってきまーす!」 朝ごはんとして用意されていたトーストを片手に持って勢いよく外へ飛び出した。
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