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『…』
森の中の小さな墓の前に1人たたずむ少年がいた
『…母さん』
少年はポツリと呟いた
村「ウォルここに居たのか
心配したぞ?」
『村長… すみません』
村「いや 無事ならいいんだ」
『…村長 お話があります』
村「? なんだね?」
『…村を出る許可を下さい』
村「!! …今の君にはまだ早い
この村を出て旅立つのは16才になってからだ」
『お願いします!!
母さんは僕に何かを隠して逝ってしまいました
だから その何かを見付けに行きたいんです!!』
村「…」
『…村長も知っているのですか?』
村「…いや残念ながら私は知らん」
『そうですか…』
村「ウォル お前は運命の子なんだ」
『運命の子運命の子って…僕はおもちゃじゃありません!!
いつも運命の子ってことで皆と一緒に遊べなかったり特別扱いされたり…
僕の運命は僕が切り開きます!!』
村「…分かった
ただし 無理はせずこれから起こる運命(サダメ)にも逆らわないと誓ってくれ」
『…分かりました』
村「…出発は明日 君が14才になる日だ」
『今からじゃダメなんですか?』
村「君のドラゴンが成長期に入るのも明日から
成長期のドラゴンは体力 攻撃力 精神力が全て上がる
パートナーが強い時ほど心強い事はない」
『…そうですね』
村「そういえば君の持獣はどこだね?」
『ここにいますよ』
ウォルは胸に手を当てた
村「そうか…神獣は主の体内に入ることが出来るんだったな」
『はい
レイヴンを体内に入れて置けば神獣を持つものとして狙われる可能性は少ないですから』
村「…それでは君が落ちこぼれと思われるぞ?」
『…命を狙われるよりマシです』
村「そうか…」
『…じゃあ僕はそろそろ帰ります
明日 日の出と共に出発しますので』
村「分かった …これを持って行きなさい」
村長は小さな袋を渡した
『これは…?』
村「本当に危険な時 または重症を負ったときに開けなさい」
『…ありがとうございます』
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