対立

4/5
前へ
/78ページ
次へ
「あっ、私の消しゴム。」 やっぱり、華恋が持っていた。 「返してくれる?困るんだけど。」 「もちろん返すわ。ただ…………」 華恋は顔を近づけて、こう言った。 『浩人を、あきらめてくれない?』 普段の甘い声と全然違う、低い声でそう言った。 そして華恋は顔を離すとニヤリと笑った。 「バ、バカじゃない?たかが消しゴムで。」 私はそう言ったけど声がふるえていた。 ――――なんで。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加