恋愛 理由

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「向井咲浩人さん。」 「はい。」 深みがあるけど、渋くはない声の浩人。髪はサラサラ。別に幼なじみでも何でもない。高校生になって、一目見て、す―――いや、思ったらだめだ。 “やり直し”になる。 せっかくここまで生きたのに。 「これで終わります。一時間目は数学です。」 健康観察が終わって、締めくくる委員長。 みんな、パッと動き出す。 「紗理奈、宿題が………」 申し訳無さそうな、美空が来た。 「またしてないの?」 「いや、分かんなくて。」 「………いいよ。」 「ちょっとなにその間!……けど、ありがと。」 美空にノートを渡した。 「ねぇ紗理奈。きのうのドラマ見た?」 「みたよ。」 「おもしろかったよね。」 「うん。」 ほかの友達から話しかけられた。 授業が始まるまで話して、危うく怒られそうになった。
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