恋愛 理由

6/6
前へ
/78ページ
次へ
授業が始まった。 「………」 ついつい浩人のほうを見てしまう。 「倉田。授業に集中しろ!」 「すいません。」 ヤゼいなぁ。 そう思っても、言えないし。 ノートに書いていると 「向井咲、ここを書け。」 「はい。」 はっ、と顔を上げてしまう。 やっぱ好きなのかなぁ。「正解だ。」 浩人は頭がいいし、カオいいし。私からすればカンペキ。 「倉田、ここを書け。」「えっ?」 「聞いていただろう?」 ニヤニヤ笑っている。 「聞いていませんでした。」 「気をつけろよ。」 「…………うっさいバーコード。」 「ん?」 「何でもありません。」「そうか。なら中園。」 思わず本音が出た。 今日は怒られるなぁ。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加