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祐樹とは、もしかしたら親とよりも多くの時間を一緒に過ごしているかもしれない。
僕は病院暮らしじゃなかったけど、入院はしょっちゅうしてたし、薬も勿論飲んでた。
だから、両親は莫大な入院費と薬代のために一生懸命働いてくれた。
そのぶん僕の面倒は祐樹と祐樹の家族がみてくれた。
だから、寂しいなんて感じなかった。
…寂しいなんて、考えちゃいけないと思ってた。
僕のために働いてくれてるのだし、寂しがるのは面倒みてくれてるおじさん達に失礼だと思ったから。
祐樹は、僕のために生きているのではないか。
そう感じてしまうほどに、祐樹は僕の事に対して真剣だった。
…まぁ、祐樹の目の前で気絶したこともあったし、自然なことなのかもしれないけど。
祐樹には僕の嘘はあまり通用しないし、医者と看護婦以外では、多分一番僕の体調がわかる奴だ。
だから、おそらくだけど、
僕の限界が近づいてるって、気付いてるんだろう。
………僕の、命の残量を。
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