借り物競争

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借り物競争

一斉に出場者がスタートした そのトップを走るのは薬馬だった 薬(よし、いいスタートだ) 一番のりで箱に入った紙を取り出し、書かれている内容を見た 『あなたの大切な人』 薬「こ…れは……」 薬馬の視線は公后様に真っ直ぐ向けられていた そして自然と体が公后様に向けて全力で走り出していた 薬(いや…好きとかそういう感情ではなく、あくまで人間として尊敬しているというか…大切な存在!そう、大切な人だから……よし!! もう俺は迷わない! うぉぉぉぉぉ!!!) そう一人で盛り上がり、ダッシュして公后様の視界に薬馬がはいった時 御「私と一緒に走ってはくれまいか。『愛する人』というお題を引いてな。」 公「まぁ御門様…私でよろしければ」 そう言って御門の差し出した右手の上に、自分の手をそっと重ねて二人は走り出した 御「すまない… これが精一杯の速さなのだ。病を患っているばっかりに、そなたにはいつも迷惑をかけるな。」 公「御門様、そんなことをおっしゃらないで。こうやって二人でいられるだけで私は幸せですわ。」 うふふふふ あはははは そう言いながら 立ち尽くした薬馬の前を 仲良く通りすぎて行った 天「薬馬君、時間切れで失格ッスー」image=419703217.jpg
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