プロローグ

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その光は月の光とよく似ているが、何か違和感がある。それは本当の月の光より明るく、それでいて柔らかい印象を受ける。 「本当に月の光なのか?」 近づいてみる。近づくにつれて、心のどこかがざわめく感覚を感じてきている。 「何だ。この感じ…」 何か嫌な感じがするが、人間の好奇心が止まらない。 ついに光から2、3mの所に来て足を止めた。 上を見上げると、その光の先から何かが落ちてきた。 「これは…羽?」 光の白とは全く逆の黒。それもとても黒い羽であった。 「何だろ。なんかやな感じが…っ!!」 突然背中に激痛が走った。何かに刺された感覚。それから突然意識が掠れていく。 「…ぃ……い…?」 何かが聞こえるがそれを聞き取る体力がどんどん失われていく。 「わ……け……く……」 血液が止まる感じがした。  「あぁ。死ぬってこんな感じなのかな…」 その時。何かはっきり聞こえた。 「我。汝と契約されし物。我は汝の盾となり、汝は我の生きるかてとなれ!!」
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