第三章

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「あつ~い!」 私は店につくなりクーラーの風のあたる特等席に座った。 「まりもくん。暑い時にあついと言ったら余計に暑くなりますよ。」 「だって店長。暑いものは暑いんですよ。」 店長は涼しげな顔でカウンターの奥に座っている。 「…」 私がカウンターの中に目を向けると店長はニコリと笑い 「たしかに今年は暑いですね。」 店長の足は氷水をいれた小さな洗面器に入っている。 「…店長。ずるいですよ!」 まったくこの人は読めない人だ。 「きっと今日もわりと混むでしょう。今のうちに涼んでおきたいですからね。」 案の定暑さのせいもあってか休憩がてらに入ってくる客も多くいつも以上の忙しさになった。
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