第一章

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店長曰く、 わりと駅に近く わりとオシャレで わりと人気のある この喫茶店が 私がバイトを始めた場所 『Cafe クローバー』 である。 「店長、今日も客入りがいいですね。」 11時開店のこの店はお昼を回る頃になると15席ほどのテーブルは残すところ2~3席ほどになる。 静かな店内にはゆったりとしたBGMが流れていてお客の話声など雑音程にしか聞こえない。 「マリモくん。 “わりと”だよ。」 店長のこだわりなのかこの店では『わりと』が基本らしい。 「ああ…。すいません。わりと客入りがいいですねっ。」 私はこの店長とはバイトを始めてから1年程の付き合いがある。 名前は『河瀬 匠海』 (かわせ たくみ) 本来ならば まだ30代前半で人気店の店長を勤めているのだから尊敬すべきであろう。 しかし『変わっている』ことに変わりはない。 「おや、新しいお客様がきましたね。」
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