第一章、逆らうことが出来なくて…。

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それでは、もしも水無月の人間が他の家の者を婿養子に貰い、その子供が男だった場合、その男の子はどうすればいいのだろうか? そのことを何気なく父に聞いたら、父は笑顔でこう答えた。 「母さん達が、今頑張って考えてくれてるから、その方針に従え。俺は婿養子だから発言とかできねえし…まあでも大丈夫なんじゃねえの?」 我が父親ながら、無責任発言全開である。 この時正直僕は、きっと水無月の家のしがらみから解放されて、新たな一歩を踏み出すことになるのだろうと思っていた。 水城家の専属メイドになることも出来ず、かと言って父親の家を継がなきゃならないなんてこともないのだから、高校を卒業して、就職しろ!と言われるのだと思っていたのである。
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