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僕は、黒と白のいかにもなメイド服をまといながら、紅茶とお茶菓子を用意し、現在の主である雪菜お嬢様のお部屋へと向かった。
ちなみに、下着も…ガーターベルトも…勿論…いやなんでもないです忘れて下さい。
とにかく!人が三人以上並んで歩けるような広い廊下をひたすらまっすぐ進み、我が主の部屋へと急ぐ。
【コンコン】
ノックを二回し、
「失礼いたします雪菜お嬢様。」
そう言い僕はお嬢様の部屋へと足を踏み入れる。
正直慣れたものである。伊達に十年近くお嬢様に仕えてるわけではない。
「ありがとうございます優様。」
純白のワンピースに身をまとい、細い眼鏡と美しい黒髪が似合うこの方こそ、今の僕の主、水城雪菜様である。
「何度も言っていますが、お嬢様は僕のご主人様でいらっしゃいます。ですから僕のような使用人に様付けなどおやめ下さい。」
正直な意見を言わせて貰えれば、僕はこの方の専属メイドという仕事を、特別嫌っているわけではない。
勿論メイドなんて仕事を特別気に入っているわけでもないし、女装することを良しとしているわけでもない。
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